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業務提携とは?資本提携との違いや種類について

近年、業務提携を積極的に活用する企業が増えています。特に競争が激化する現代のビジネス環境では、多くの企業にとって重要な手段となっています。本記事では、業務提携についてメリット、注意点やポイントをご紹介します。

業務提携とは?

業務提携とは、複数の企業がそれぞれの強みや資源を活用し、共通の目的を達成するために協力関係を築くことを指します。法的な統合を伴わない緩やかな協力形態であり、企業同士が自立性を保ちながら、特定の事業分野や目的において連携します。自社単独では、実現が難しいことも業務提携の場合は企業がそれぞれ持っている技術やノウハウ、ブランド力などを提供し、お互いに足りない部分を補うことができます。

業務提携と資本提携の違い

業務提携は、資本の移動や法的な統合を伴わずに、企業同士が特定の目的に向けて協力する契約を指します。比較的短期的な契約である場合が多く、双方が自立性を維持したまま特定の事業領域でシナジーを発揮することを目的としています。

資本提携は、企業間で株式を取得・保有し合うことで、資本関係を持ちながら協力関係を築くことを指します。資本業務提携を通して業務提携を結ぶ場合は、資本業務提携と呼ばれます。

業務提携と資本提携は、企業間の協力関係を示す点で共通していますが、資本の移動の有無という点で異なります。

業務提携を行うメリット

業務提携を行う主なメリットは、以下の通りです。

①市場シェアの拡大

提携により販路や顧客基盤を共有し、両社のブランドや流通網を活用することでより多くの市場にリーチでき、競争力を強化することができます。

②リスク分散

業務提携を通じて投資や事業のリスクを提携相手と分担できるため、市場変動や競争のリスクを軽減できます。また、新規事業への参入する際にも、市場開拓のリスクを分散することができます。

③コスト削減

共同調達や共同生産により、スケールメリットを享受しコストを削減することが可能です。また、重複する業務を削減することで効率化を図ることができます。

④技術革新の加速

異なる分野の技術やノウハウを融合させることで、新たなアイデアや視点が生まれ、革新的な製品やサービスの開発が促進されます。これにより競争優位性を高めることができます。

⑤事業領域の拡大(新規事業参入)

提携先の強みを活用することで、単独では難しい新市場や新事業領域への進出が容易になります。

業務提携を行うでの注意点

業務提携は多くのメリットをもたらす一方で、これらのリスクを管理するための計画や仕組みが欠かせません。注意点は、以下の通りです。

①目標の不一致

提携する企業同士の目的や期待が一致しない場合、協力関係がスムーズに進まなくなる可能性があります。提携開始前に目標や成果を具体的に共有し、シナジーが見込める適切なパートナーであるか見極め、合意しておくことが重要です。

②機密情報の漏洩

業務提携においては、情報漏洩や機密情報の管理に十分な注意が必要です。秘密保持契約(NDA)を締結し、情報の取り扱いに関するルールを明確にすることが必要です。

③提携の解除のリスク

業務提携は、予期しない問題や状況によって契約が解除もしくは終了する可能性があります。提携が途中で解消されると、コストの無駄や信頼関係の悪化が発生することも考えられるため、契約時に解消条件や終了後の対応について明確に規定しておくことが重要です。

業務提携の種類

業務提携は、目的に応じていくつかの種類に分けられます。それぞれの種類とその特徴について解説します。

●販売提携

販売提携は、提携先の販売チャネルを活用して、自社製品やサービスを拡販することを目的とします。例えば、製品の共同プロモーションや互いの販売網の共有することで、市場シェア拡大、販売効率の向上を図ることができます。

●技術提携

技術提携は、企業間で新しい技術や製品を共同開発するために協力することを指します。例えば、特許技術のライセンス供与や共同研究開発を行うことで、開発コスト削減、技術力強化、スピード感のある市場投入が期待できます。

●生産提携

生産提携は、製品の生産を共同で行ったり提携先の工場を活用することで、生産コスト削減や生産能力の増強を図ることができます。OEM(相手先ブランド製造)やODM(相手先商標製造)、共同製造契約などがあります。

●資材・調達提携

資材・調達提携は、原材料や部品の調達を協力して行うことを指します。例えば、共同購買によりコストを削減したり、安定供給を確保することでコスト削減、調達リスクの軽減することができます。

●ロジスティクス提携

ロジスティクス提携は、物流や配送に関する業務を共同で行う提携です。例えば、物流センターの共有や配送網の統合を行うことで、物流効率の向上やコスト削減が期待できます。

●業務支援提携

業務支援提携は、企業の運営において特定の分野を支援するために協力することを指します。例えば、システムの共同運用や、バックオフィス業務を共有することで、業務効率化や人件費の削減を狙います。

●人材・教育提携

人材・教育提携は、人材の育成や派遣、教育に関する提携です。例えば、トレーニングプログラムの共同開発や社員の交換研修を行うことで、人材育成やスキルの共有をすることができます。

●マーケティング提携

マーケティング提携は、共同で市場調査を行ったり、広告活動を展開することを指します。例えば、キャンペーンの共同開催やデータの共有を行い、市場ニーズの把握や宣伝効果の最大化を図ります。

●プロジェクト提携

プロジェクト提携は、特定のプロジェクトに関して一時的に協力することを指します。例えば、インフラ開発やイベント運営での共同事業を行うことで、リスク分散や短期的な目標達成を狙うことができます。

●知的財産提携

知的財産提携は、知的財産権の共有やライセンス供与を行い、イノベーションの促進や競争優位性の確保を図ることができます。主に、特許、商標、著作権の使用契約などがあります。

業務提携の流れ

業務提携を実施する際の一般的な流れを以下に示します。このプロセスは、提携の目的や条件に応じて変わることがありますが、基本的には以下のようなステップが含まれます。

①業務提携の目的とニーズを明確化

提携の目的を整理し、双方の利害や目標を確認します。業務提携を行う上での具体的なメリットや課題、達成すべきゴールを明確にすることが重要です。

②提携先の選定

提携先を選ぶ際には、提携先企業のリサーチを行い、自社の目標に合致する企業を選びましょう。提携先の事業内容、財務状況、技術力、ブランド価値などを確認し、候補企業との初期的なコミュニケーションを行い、提携可能性を確認することが重要です。

③NDA(秘密保持契約)の締結

業務提携の協議を進める前に、情報漏洩を防ぐためNDAを締結し、双方が安心して情報を共有できる環境を構築します。

④提携条件の協議

提携の内容や範囲について詳細な話し合いを行います。主に、双方の役割分担、責任範囲や成果の分配方法、契約期間や更新条件について明確にすることが重要です。

⑤契約書の作成・締結

業務提携契約書を作成し、双方が合意した内容に基づいて契約を締結します。

⑥提携の実施

提携が合意されたら、実際に業務提携を実行します。スケジュール管理や進捗確認を定期的に行いましょう。必要に応じて追加調整を行うことで、提携効果を最大化します。

⑦提携効果の評価

提携が進行する間、進捗状況や課題を検討し目標達成度について定期的な評価を行います。必要に応じて改善策を実施することも大切です。

⑧提携の終了または更新

提携の継続性や成果に基づき、継続するか終了するかの判断を行います。状況に応じて、新たな条件での再契約を結ぶこともあります。

業務提携を円滑に進めるためのポイント

双方にとって有益な関係を構築するためにも以下のポイントを抑えておきましょう。

●提携の目的を明確化する

提携する理由や達成したい目標を明確にすることで、方向性の違いによるトラブルを防げます。 また、コスト配分や業務提携によって生じた利益をどのように配分していくかについても事前に規定しておく必要があります。

●信頼関係を築く

業務提携には、相手企業とのコミュニケーションが非常に重要です。双方が正直に情報を共有することで、信頼を構築します。状況に応じて、課題や進捗状況を共有する定期的なミーティングや報告体制も重要です。

●プロジェクト管理を徹底する

業務提携には、進捗管理も重要です。定期的にプロジェクトの進行状況を確認し、軌道修正を行います。責任者を配置し、指揮を取らせることで効率的な進行が可能になります。

業務提携について まとめ

業務提携は、企業がそれぞれの得意分野を活かしながら、効率よく目標を達成する手段として広く採用されています。特に、初期段階での明確な目標設定が成功の鍵です。業務提携は目的に応じて様々な種類がありますが、自社の目的や課題に合った業務提携の形を選ぶことが重要です。


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